作品情報
原題:Red Sun
監督:テレンス・ヤング
出演:チャールズ・ブロンソン/ウルスラ・アンドレス/三船敏郎/アラン・ドロン/中村哲/キャプシーヌ
制作国:フランス・イタリア・スペイン・アメリカ合作
上映時間:115分
配給:東和
あらすじ
強盗団のリンクとゴーシュは郵便貨車を襲い、金貨を強奪する。この列車に乗り合わせたのが、日米修好の任務を帯びた坂口備前守日本国全権大使一行。ゴーシュは日本の帝から大統領に贈呈される黄金の太刀を奪い、リンクを裏切り意気揚々と引き上げる。大使から調印までに宝刀奪還の命を受けた黒田重兵衛は、ゴーシュへの復讐を誓うリンクと手を組み旅に出る。反発しあう侍とガンマンだったが、旅の中で二人の間に不思議な友情が芽生え始める。
イロモノかと思いきや意外と地に足のついた異色の西部劇
侍とガンマンが奪われた宝刀を求めてドタバタ珍道中。
「荒野の七人」のブロンソンと「七人の侍」の三船が共演しているだけで14人分の価値があると言っても過言ではないのに、フランスが産んだ人類史に残る美男アラン・ドロンも共演。
監督は「007」でノリノリのテレンス・ヤングという本気の布陣なのだから凄いものが作れないわけがない。
当時は既にスパイ映画に流行が移り西部劇は衰退していたが、そんな中でも三船プロとパラマウントのテッド・リッチモンドは三船敏郎を主役に据えた「侍の西部劇」を実現させたのだ。(なんという暴挙・・・)
最初こそ忠臣蔵みたいな格好をした三船が西武の荒野に異世界転生したような絵面に面食らうが、あまりにも堂々とした誇り高き侍の姿に説得力がありすぎて全然カッコいいから凄すぎる。
チャールズ・ブロンソン、アラン・ドロンという世界の大スター相手を完全に食ってる凛々しい佇まいの三船敏郎。
日本人として素直に感動してしまう。
三船敏郎が侍すぎて画面がなんとかなってしまう不思議
テレンス・ヤングなだけにガンアクションや爆発も素晴らしい仕事ぶり。
馬を駆り刀を振るう大迫力の三船アクションも必見。
三船と日本文化に対する高いリスペクトがあったのか、三船なら変な日本人描写に待ったをかけて最高のディレクションができたのか、はたまたその両方か。
イロモノ映画のくせに並の映画より、侍や日本の描写がやたらしっかりしていてなんだか熱くなってくる。
アメリカやヨーロッパにおいて太陽は黄色で表現される。
この映画のタイトル「レッド・サン」は日本人から見た太陽。
この映画の主人公は紛れもなく三船敏郎なのだ。