作品情報
出演:ボブ・ホスキンス/ジョン・レグイザモ/デニス・ホッパー
制作国:アメリカ
上映時間:105分
配給:日本ヘラルド映画
あらすじ
ニューヨークのブルックリンで配管の仕事を請け合うマリオとルイージの兄弟は、地下の下水路で化石発掘を行うチームのリーダーであるデイジーと知り合う。ある日、マリオの恋人ダニエラが二人の男に誘拐され、続けてデイジーも拐われてしまう。後を追ったマリオとルイージは地下で時空の歪みに巻き込まれ、恐竜人が暮らす国「ダイノハッタン」に行き着く。
全然マリオではないとも言い切れない微妙にちゃんとした80年代娯楽映画っぽさ
「65 シックスティファイブ」かな?いいえ、マリオです。
衝撃のオープニングから始まる初の実写版マリオ。
マリオにイギリスの伝説的俳優ボブ・ホフキンス、ルイージに当時若手の(若すぎて面影がない)ジョン・レグイザモ。
クッパ大王にまさかの「イージー・ライダー」監督脚本主演でカンヌ新人監督賞を受賞し、当時すでにアカデミー賞ノミネートも経験済みのデニス・ホッパーを迎えた謎に豪華な布陣。
また、ルイージが孤児でマリオに引き取られたので親子ほどの年齢差があるという設定も追加されている。(なぜ?)
その衝撃のビジュアルと原作からの改編などから、当時は「最悪の映画」と評され、黒歴史やカルト的人気映画の代表格になってしまっているが特撮や背泳美術の水準が普通に高く、実は侮れない作品。
脚本もキレッキレでマリオの名言「マンマミーア!」や「ヒアウィゴー!」は一切なく、デイジーの化石発掘を妨害するために水道管を壊した大企業に配管工スキルで立ち向かい「俺はプロだ(キリッ」とかデイジーをさらった恐竜人に対する「奴らの骨を全部折ってから殺してやる!」など新しい名言を生み出しまくっている。
原作もので大事な再現度はというとほぼ0。
中途半端に原作再現して微妙にするくらいなら、そんなもの知るかと言わんばかりにクリボーを巨大なトカゲのバケモノにしたりヨッシーをリアル恐竜にしたり、キノピオをネバネバの菌類(なぜか大御所ランス・ヘンリクセンが演じる)にする方が映画的に面白いだろうという判断に至ったらしい。
キラー(なぜかこいつとボムヘイとスコープガンは再現度が高い)
そして地底の魔界帝国でマリオと警官が派手なカーチェイスを繰り広げるマリオカート的要素はしっかりある。
全然カートじゃなかったし爆破スタントのクオリティが高くて草
知能の低いクリボーたちを強くするために進化ビームで進化させたら賢くなって自身の独裁政治を批判されて怒るクッパなど、妙にギャグの打点が高いところにあるのもジワジワくる。
原作とはかけ離れているしマリオ要素は身につけたアイテムの色や部屋の装飾などしかなく(逆になぜそういう細かすぎる原作要素はやたら散りばめられているのか)、子供が見てもほぼ100%面白くないと思う。
けど大人になって見直してみたら良くも悪くも「そこそこの出来の洋画」で、マリオの妙に生々しいおじさんの生活シーンやマリオとルイージがダブルデートするシーンの会話が割と面白くてキャラが普通に好きになった。
もっとひどい映画をたくさん見てきたおかげか、6年前のブルーレイ発売時に見直したらそんな再発見がたくさんあった。
ちなみにこの映画の25周年記念ブルーレイ、先日のマリオ映画の影響でバカ売れして品切れ続出中らしい。(6年前に買っておいてよかった)
あのクエンティン・タランティーノが運営する映画館で今年再上映した時は満席連発だったらしい。
今、30年の時を経て「魔界帝国の女神」の流れがきている。
乗るしかない、このビッグウェーブに!