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映画「暴太郎戦隊ドンブラザーズVSゼンカイジャー」(2023)

作品情報

監督:渡辺勝也

出演:樋口幸平/別府由来/志田こはく/柊太郎/鈴木浩文/石川雷蔵/駒木根葵汰/宮崎あみさ/タカハシシンノスケ/増子敦貴/森日菜美/世古口凌/川岡大次郎甲斐まり恵/榊原郁恵/浅沼晋太郎梶裕貴宮本侑芽佐藤拓也村瀬歩能登麻美子福圓美里鈴木崚汰松田颯水阿部敦

制作国:日本

上映時間:60分

配給:東映ビデオ

年齢制限: G

あらすじ

並行世界をめぐる旅から五色田介人たちが帰ると、ゼンカイトピアはカシワモチワルドと「柏餅王」になったゾックスに支配され、世界は柏餅中毒者で溢れていた。一方、ドンブラザーズの世界では記憶の戻った桃井タロウが帰ってくるが、メンバーとの話し合いの末、解散が決まる。

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混ぜるな危険が混ざった結果、なんか思ったより普通になった

その尖りすぎたキャラとストーリーで1年間視聴者を困惑させ謎の中毒性を生んだ「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」、常に全力全開の底抜けな明るさでこれまた異色だった(ドンブラがある今思えばこいつはまだ普通だった)「機界戦隊ゼンカイジャー」。

カオスとカオスが邂逅するとあって色々覚悟していたのだが、ふたを開けて見ればそれぞれの登場パートに完全に分けられ、最後にちょっとコラボして終わりの超安全策。ゼンカイジャーとドンブラザーズ、そしてコラボパートの三幕に分かれており、TVで脚本構成を務めた井上敏樹先生と香村純子先生がそれぞれ担当戦隊の部分を執筆しており、よく言えば非常に整理されて観やすかった。

つまり、ガッツリ共演するタイプのVSを期待する人には肩透かしもいいところだろう。

 

ゼンカイはもはや懐かしさを感じるメンツがいつものノリで帰ってきて嬉しかったし、ドンブラはあんな綺麗に終わった最終回をここまでぶち壊すかと思うほど井上先生成分が濃すぎる。

これは多少耐性がある人でも受け切れるかはちょっと自信がない。

ジロウの扱いが酷すぎてこれでいいのか?って感じだったが、相変わらずソノイとタロウのパートはやたら丁寧というかオシャレというか、女子が好きなやつやりすぎだろ!みたいな。

 

ゼンカイ側はゾックスの「俺のカシワモチに手を出してんじゃねえよ」を始め名言の大量生産工場状態。

クライマックスもステイシーやハカイザー、ゾックスまで混じってのフルメンバー名乗りでなんか熱い。

ドンブラはマジでどうしてしまったんだというレベル、ドンブラでも脳人でもいいから新作やる予定があるなら今回はこれでもいいかな・・・って感じ?

でもやっぱりタロウとソノイのパートに関しては100点なんだよなぁ。

 

こういうVシネ系って大人のイメージだったけど、劇場で様子を見ていた感じだとGWだったのもあってかちゃんとお子様がたくさん見にきてくれていて嬉しかった。

子どもたちがタロウの高笑いをまた聞けて喜んでくれたり、1年以上開いてるとは思えないくらい通常運行だったゼンカイジャーを見て懐かしく楽しんでくれたりしたのなら、まあいいかな。

トゥルーヒーローはいつまでも子どもたちの光であり続けてくれ。