作品情報
原題:Il magnifico straniero
監督:セルジオ・レオーネ
出演:クリント・イーストウッド/マリアンネ・コッホ/ジャン・マリア・ヴォロンテ/ボルフガング・ルクシー/ジークハルト・ルップ/ヨゼフ・エッガー
音楽:エンニオ・モリコーネ
制作国:イタリア・スペイン・西ドイツ合作
上映時間:101分(冒頭にリマスター作業の技術的解説追加)
配給:アーク・フィルムズ
年齢制限: G
あらすじ
メキシコ国境に近い小さな町に現れた流れ者のガンマン。ジョーと名乗るその男は、この町を巡って対立している悪徳保安官バクスターと悪党ホロ兄弟の二大勢力を争わせ共倒れさせようと画策する。
ジャンルを確立した伝説が劇場に蘇る
僕がこの仕事をするにあたって目標だったことが3つある。
映画館で「アイカツ」をかけること。
これは新作で半分達成。
次に「ロッキー」をかけること。
これは「クリード」シリーズや「ロッキーvsドラゴ」でおおむね達成。
そして3つ目が「ドル三部作」を映画館でかけることだった。
まさか新規4Kリマスター版で叶ってしまうとは。
運命が僕に味方している・・・(仮面ライダーカブト脳)
「ドル三部作」とは、言わずと知れたマカロニ・ウェスタン(アメリカではスパゲッティ・ウェスタン)と呼ばれるイタリア製西部劇の金字塔たる三部作だ。
当時、TVドラマの西部劇に出演していたイーストウッドに無名のイタリア人監督から出演のオファーが舞い込む。
そしてスペインに飛んだイーストウッドが出演した映画がこの「荒野の用心棒」であり、その監督こそ当時まだ無名だったセルジオ・レオーネだ。
そして、音楽はレオーネの小学校の同級生(!?)だったエンニオ・モリコーネが、元ネタの「用心棒」を見せられて「この感じで!」と言われて作曲している。(ドキュメンタリー映画「モリコーネ」で言ってた)
初めてのスクリーンで見る荒野の用心棒。
冒頭の35mmフィルムから4Kにした技術的な面や復元作業の解説から始まり、一生見ていたいオープニング映像。
もうここだけで満足して拍手して帰りそうになるレベルの感動。
元がめちゃくちゃ面白い映画で音も映像も現代の作品レベルにパワーアップしたのだから、これが映画館で見なければいけない映画なのはもはや説明せずともお分かりいただけるだろう。
大スクリーンで見る30代のイーストウッドは声も若くてなんだか新鮮。
スッと伸びた高身長、風にたなびくポンチョ。
ポンチョがカッコいいイメージになったのは間違いなくイーストウッドのせいだろう。
プレデターもマンダロリアンも、誰も彼もカッコいいキャラがポンチョを着ていたらそれはほぼ間違いなくこのイーストウッドか、このイーストウッドに影響を受けたヤツに影響を受けていると言っても過言ではないポンチョの始祖。
イーストウッドがポンチョを着たか着てないかで世界線が変わるだろう。
そしてなにより、常に眩しそうな目を窄める表情のイーストウッドは若いのに渋くてカッコいい。
その目がめちゃくちゃ綺麗。
これが4Kリマスターだ。
宇宙一カッコいいロードショー、最初は何を言ってるんだこいつはという感じだった。
もともと大好きな映画だが、今回は配給のテンションがはしゃぎ気味でちょっと引き笑い。
だが、生まれて初めてスクリーンで見る「荒野の用心棒」は確かに宇宙一カッコよかった。
これは映画の新たなジャンルを生み出した傑作を後世に残す偉業だ。