ご一緒にこちらの映画はいかがですか?

映画館で働きながら、たくさんの映画と映画を観る人を見つめています。

映画「ラスト・シフト」(2020)

作品情報

原題:The Last Shift

監督:アンドリュー・コーン

出演:リチャード・ジェンキンス/シェーン・ポール・マッギー/ダバイン・ジョイ・ランドルフ/バーガンディ・ベイカ

制作国:アメリ

上映時間:90分

配給:ソニー・ピクチャーズ

年齢制限:R15+

あらすじ

高校を中退し、地元のファストフード店で38年深夜勤務をこなしてきた高齢のスタンリーは引退の日が近づいていた。だが、彼の後任となるジェボンが現れたことで、最後の勤務となる週末は様相が変わってしまう。ジェボンは才能豊かだが人生に行き詰まったライター志望の若者で、挑発的な発言のせいで度々トラブルを招いていた。まったく共通点のない2人の人生が思いがけず交差する。

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この「逆マイ・インターン」的映画にあなたは何を見るか

あらすじで「マイ・インターン」を期待してご覧になった皆さん、なんとその真逆です。

サルでもできるアルバイトを38年間続けてきたくらいしか自慢のない老人の惨めな人生が新人バイトの加入によって浮き彫りになり、碌でもない最後を迎える。

 

マイ・インターン」と比較すれば、デ・ニーロ演じるベンには人生経験も金も謙虚な心もあったが、人生の歯車が外れたまま戻せず戻そうともしない無教養な老人のスタンリーにはなにもない。

ロジカルな若者に出来ることといえば哀れな姿を見せて反面教師になることくらいか。

これをコメディに分類するのは酷というか詐欺というか。(むしろしんどさでいえばセブンとかと同じにしろ)

 

もしあなたがそこそこの年齢でアルバイトをしていて、自分が一番よくできて全てを知った気になっていて、特に今後の目標や進路の予定もない人間だったらこの映画は見ないほうがいい。

あまりにも辛すぎる。

 

人種を絡めた示唆もあるにはあるが、そんなことは差し置いてシンプルに辛い現実しかない。

リチャード・ジェンキンスの演技を見る分には良。