作品情報
監督:田崎竜太
出演:半田健人/芳賀優里亜/村上幸平/唐橋充/藤田玲/福田ルミカ/浅川大治/柳川るい/土師野隆之介/松沢可苑/進藤あまね
制作国:日本
上映時間:65分
配給:東映ビデオ
年齢制限:PG12
あらすじ
園田真里は啓太郎の甥である条太郎、海堂直也、何故か生きて返ってきた草加雅人と共に、表向きはクリーニング店「西洋洗濯舗 菊池」を経営、裏ではオルフェノクの庇護を行っていた。一方、政府の介入で企業再生したスマートブレインは、何故か生きていた北崎を社長としてオルフェノク殲滅を目指す企業へと変貌を遂げていた。ある日、オルフェノクを助ける為に戦っていた真里たちの前に、数年前から消息不明となっていた乾巧が現れる。しかし、巧はかつてとは異なる姿の仮面ライダー「ネクストファイズ」へと変身し、スマートブレインの尖兵としてオルフェノクたちに襲い掛かる。
ツッコミどころと激アツ展開が共存しているがツボは押さえた20周年記念作
仮面ライダー555の20周年を記念して田崎監督、井上先生、キャスト陣が再集結して作られたテレビドラマの続編であるVシネは、世代ドンピシャの僕には仕事であると同時に非常に熱い案件だった。
僕は今だにニチアサに興じる成人男性だが、中でも「クウガ」「555」「カブト」だけは真骨頂シリーズを3体揃えたくらいの特別な存在だ。
先日、「完成披露舞台挨拶付き先行上映」として1Dayの先行上映が行われた。
この記事は公開日である2月2日に公開されるよう設定したが、僕はその先行上映をライブビューイング付きの劇場で観てきた。
(以下本編の内容に触れてます)
端的に言うと頭に書いた通りなのだが、ツッコミどころが満載の変な映画なのだが、20年愛したファンが見たい熱い瞬間はおおよそ見られる。
芸能界を辞めた人、残念ながらもうこの世にはいない人、様々な理由で今回出演していない人たちを拾い上げるOP。
変なところで手首スナップを披露する高岩さんみたいなネタを挟みながら、最近ドンブラを見たせいで何処か身体に馴染む最近の井上敏樹先生ワールドが繰り広げられる。
この手の企画の何がいやって、公式がやっている事が公式なのに、どうしても見ていて自分の思っている作品世界に沿っているかが気になってしまう事。
純粋に楽しみたいが、思ってるのと違う事が画面の中で起こり「公式やっちまったーーー」と落胆する瞬間が来るのではといちいち身構える。
相反する気持ちがずーっと続くので初見鑑賞が普通にしんどい。
555くらい好きな作品だともはや「自分ならこう言わせる、こう演出する」まであるのでだいぶ見ていてしんどいところが多い。
中盤の真理がオルフェノクになる展開とか、その後のあれこれとか、小説の敏樹先生が顔出しちゃってますよーって感じだったしこれはPG12で仕方なし。
何を見せられてるんだろうという気持ちになりつつこれは大人になったあの頃の少年少女に向けて作られている(はず)なので受け入れるしかなかろう。(そもそもその前の海堂の発言からそうなのだが)
仮面ライダーミューズに変身する胡桃玲菜のキャラ付けの絶妙なキモさとか無茶苦茶力技で乗り越えていく何故か生きてた人たちの設定とか、中盤のそれとかを乗り越えた最後の決戦はなかなか熱かった。
特に条太郎。
溝呂木賢の引退に伴い出演出来なくなった菊池啓太郎の代わりに据えられた甥っ子というご都合キャラなのだが、これは本当に上手くやったと思う。
演じた浅川大治くんの演技による絶妙な啓太郎っぽさ、立ち居振る舞いから会ったこともないたっくんをおじさんから聞かされてたエピソードのみで100%信じてるあたりまで、妙に啓太郎っぽさがちゃんとしてる。
そしてクライマックス、家から持ってきたあのアタッシュケースを投げるシーン。
啓太郎を継ぐものから「あの」ベルトが投げられるのはやはりグッとくる。
巧の「お前わかってんじゃねえか!!」はもはや映画を見にきた人たちの代弁だろう。
ていうか何か微妙な見た目だったネクストファイズが本当に旧型の当て馬だなんて思わないじゃん。
「やっぱ俺にはこっちだぜ!」は激アツだし最高なんだけど、公式的にそれでよかったのか。
そんな新型ライダーのベルトに5万円も出すやつが映画公開後に果たしているのだろうか。
そんな事が気になってめちゃくちゃモヤモヤするんだけど、でも僕が見たかったのはこれで間違いなかったのでもう全てエモで流すことにする。
ちゃんと映画館でJustiφ's流しながら真理との連携プレーでラスボス撃破。
最後はカタルシスも何もない取ってつけたようなハッピーエンドで終了。(脚本に口出して変えたっていうのはここかしら?)
謎に草加新社長を匂わせつつ本当に新シリーズやるかはいつもの敏樹先生脚本なので不明。
まあでもそれでいいんじゃない?
仮に悲劇的(クオリティ的な意味で)な内容でも上映後の舞台挨拶までセットで見れば「まあなんだかんだで良かったような気がする」と思えるので、そこまで計算した上で舞台挨拶上映をチョイスしたのだがそれなりに良いものが観られたので良かった。
中継をつなぐまでの待機時間やキャスト入場、その他諸々で劇中一回しか流れなかったJustiφ'sを映画館音響で何度もおかわり出来たのもいい副産物だった。
やはりキャストの作品にかける思いや作品を愛してくれている雰囲気を感じれば何を見せられてもいい気持ちになれるし、まあまあ良いもの見た上でのこれだったので平成初期ライダードンピシャ世代としてこの先行上映で観られたのは最高の経験だったと思う。
多分オーズ10thの悲劇を繰り返してはいないと思うので、もし近所でやってたらそれなりに安心して観に行ってあげてほしいなと思います。(繊細な特オタのマインドはわからないので一切の責任は負いませんが...)
Open your eyes for the 20th φ's !!