作品情報
原題：Navalny
監督：ダニエル・ロアー
出演：アレクセイ・ナワリヌイ／ユリヤ・ナワリヌイ／マリア・ペブチク／クリスト・グローゼフ
制作国：アメリカ
上映時間：98分
配給：トランスフォーマー
年齢制限： G
あらすじ
プーチン政権への批判で国内外から注目を集めるロシア反体制派のカリスマ、アレクセイ・ナワリヌイを追ったドキュメンタリー。2020年8月、政権にとって最大の敵と見なされている彼は、移動中の飛行機内で何者かに毒を盛られ昏睡状態に陥る。奇跡的に一命を取り留めた彼は、自ら調査チームを結成して暗殺未遂事件の真相究明に乗り出す。
ロシアの暗部に切り込む映画よりスリリングな現実
ロシアの反体制派として若者を中心に絶大な支持を得るナワリヌイの毒殺未遂事件と、犯人を突き止める調査活動の顛末を納めた密着ドキュメンタリー映画。
あらすじを読んだらお分かりかと思うが、どうしてロシアのドキュメンタリーはいつも簡単にフィクション映画を超えてきてしまうのか。
ロシア政府に嫌われすぎて記者会見でもプーチン筆頭に政府関係者は全員「あの男」と呼ぶヴォルデモートと化した政府の忌むべき存在。
どうしてそんなことができるのか映画を見ていてもよくわからないレベルなのだが、彼は自身の暗殺に関わった工作員数名を特定し、順番に電話をかけていく。
ぜひ映画で観てほしい面白さなので詳しくは書けないが、暗殺チームの仲間のふりをして電話越しに計画の詳細を聞き出す佳境のパートはあまりの緊迫感と衝撃の内容で、さすがに創作ではないかと疑うレベル。
映画は帰国して逮捕されたナワリヌイのシーンで締められるが、現在もボタンをちゃんと止めてないとか様々な理由をつけて懲罰棒に放り込まれるなどしているらしい。
ロシアがウクライナに戦争を始めた数ヶ月後というハイパータイムリー映画だったが、現実と地続きにロシア内にこういう人もいるとうことを確認することは大いに意義あり。
可能なら今のうちに観られることをオススメする。
