作品情報
監督:狩山俊輔
出演:芦田愛菜/宮本信子/高橋恭平/古川琴音/生田智子/光石研
制作国:日本
上映時間:118分
配給:日活
年齢制限: G
あらすじ
人付き合いが苦手な17歳の女子高生・佐山うららは、BL (ボーイズラブ)漫画を読むのが何よりの楽しみだった。そんなうららの働く本屋に、夫に先立たれ孤独に暮らす75歳の老婦人・雪が来店する。美しい表紙に惹かれBL漫画を手にした雪は、初めて覗く世界に驚きつつも魅了される。BL漫画の話題で意気投合した二人は、立場も年齢も超えた友情を育んでいく。
好きなものを肯定してくれるひたすら優しい世界がそこにある
17歳と75歳、歳の差58歳の二人の女性がBL漫画を通じて友達になり、関係を深めていくドラマ。
ひたすら優しくて暖かいが、時々痛いところにブッ刺さる。(オタク的に)
大ベテラン宮田信子さんはもちろん、子役のジンクスをものともせず目覚ましい活躍が続く芦田愛菜先生の全く引けを取らない素晴らしいお芝居がこの映画をより魅力的にしている。
劇中漫画の展開と登場人物のドラマがシンクロする見せ方もいい。
作品の空気感、作りたい世界観が一貫していて、狩山監督はよい仕事を成し遂げられたと思いました。
好きなもので繋がった二人が同人誌を作ってコミティア参加を目指すという話も妙にリアルで面白い。
コミティアが実名参加なのもだが、よく見るあの会場がそのまま普通に出てくるのもなんか笑ってしまった。
漫画家先生のエピソードも主人公たちに絶妙に絡ませて、創作から得られる喜び、みんなが好きなものや好きなものに一生懸命な人からエネルギーをもらうことを肯定的に描いている。
原作は未読だが、全5巻を2時間にまとめているとは思えない仕上がり。
オススメです。
〈余談〉
2022年ん6月17日。
「メタモルフォーゼの縁側」と同日に公開されたのがまさかの「PLAN 75」という。
老人映画の光と闇が同居する奇跡が起きた日本映画界なのでした。
チャンチャン