作品情報
原題:Sisu
監督:ヤルマリ・ヘランダー
出演:ヨルマ・トンミラ/アクセル・ヘニー/ジャック・ドゥーラン/ミモサ・ビッラモ/オンニ・トンミラ
制作国:フィンランド
上映時間:91分
配給:ハピネットファントム・スタジオ
年齢制限:R15+
あらすじ
1944年、ナチス侵攻下のフィンランド。国土が焦土と化す中、老兵アアタミは愛犬のウッコと共に掘り当てた金塊を運ぶため凍てつく荒野を旅していた。ナチスの戦車隊を率いるヘルドルフ中尉はアアタミの金塊と命を奪おうと目論むが、アアタミはかつて精鋭部隊で名を馳せるも、上層部すら手をつけられなくなり軍から放出された一人殺戮部隊と呼ばれる伝説の兵士だった。アアタミは使い古したツルハシと不屈の精神を武器に、次々と敵を血祭りにあげていく。
「世界一幸せな国」フィンランドが送る渾身の暴力映画
ゲームの発売ラッシュで全く映画が手につかないという映画館勤務にあるまじき日々を送っていました。(周りの人たちもそうなってました)
このままではまずいと思いつつ、エンタメ業に関わる人間が最新ゲームをやらないのもそれはそれでどうなんだ?と謎に自分を納得させながら無事ゲームをクリア。
久しぶりにU-NEXTのポイントを使ったろうと選んだのがこの映画。
世界一幸せな国と呼ばれるフィンランドから送り込まれた濃ゆいバイオレンスアクション。
プロダクション会社のSTAGE6が関わったから「ジョン・ウィックのスタジオが送る!」というジョン・ウィックが好きな人が聞いたら絶対避けては通れないフレーズにトンチキシーンを詰め込んだ銀河万丈の予告をぶち込むという、自分たちのやるべきことがよく見えてるタイプの映画。(別の予告は中田譲治だ!)
西部劇の様式美にチャプター形式の物語、そして血飛沫と肉塊になるナチス。
どうしてもタランティーノを彷彿とさせるブラックバイオレンス映画で予告もコメディを感じるが、この映画自体は基本的に真面目にやってるのでどうにも笑える雰囲気ではないのでちょっと困惑。
笑いのないタラとジョン・ウィックってどういうことなんだ。
北欧映画のこういうところはたまに困惑する。
戦時が下地になっているがイデオロギーなどの難しい話は一切なく、金塊がほしいナチスとそれを守りたい老人がただはちゃめちゃに殺し合うだけなので本当に何も考えず見ることができる。
「SISU」というのは適切に翻訳できない言葉のようで、劇中の説明では「すべての希望が失われた時に現れる不屈の精神」のような意味合いらしい。
確かに不死身の男というが、不死身というよりは不屈の精神でひたすら死なないヤバい老人といった感じ。
それは流石に死んでるやろというシチュエーションもノー説明の力技で乗り越えていく。
そうか、これが「SISU」魂か。
ゆるいユーモアを感じるラストシーンで血生臭い戦場からふっ...と現実に戻るような。
変なトリップ感ある映画でした。