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映画「13人の命」(2022)

作品情報

原題:Thirteen Lives

監督:ロン・ハワード

出演:ヴィゴ・モーテンセンコリン・ファレル/サハジャク・ブーンタナキット/ジョエル・エドガートン/トム・ベイトマン/ポール・グリーソン

制作国:イギリス

上映時間:149分

配給:Amazon Prime Video

あらすじ

2018年にタイで起きた「タムルアン洞窟の遭難事故」の救出活動を映画化。予期せぬ豪雨で洞窟内部に閉じ込められた地元サッカーチームの少年とコーチ13人を救出するため集まった、水没した狭い迷路のような洞窟を進むことができる世界最高の技術と経験を持ったダイバーチーム、タイ軍、1万人を超えるボランティアの奮闘を描く。

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ロン・ハワード完全復活!国を越え力を合わせ正しい事を行う人間の素晴らしさを描いた熱いドラマ

監督ロン・ハワード、出演はヴィゴ・モーテンセンコリン・ファレルジョエル・エドガートンという豪華さでまさかのアマゾンプライムビデオ独占配信というから恐れ入った。

こんなハイクオリティの傑作でも配信映画になってしまうドラマ映画に厳しい時代になったのを感じる。

 

この事故はドキュメンタリーやドラマ映画といった形で既に何度か映像化されている。

2時間半と少し長いが、次々に困難が立ちはだかるテンポが良くて飽きることはない。

 

報道で事故のことは知っていたが、なぜこの救出劇が奇跡と呼ばれるのか、これほどまでに話題になり映像化が相次ぐのかを映画で観ることで初めて気づいた。

数m先も見えない泥水の中を何時間も潜水して進み、少し間違えば酸素が途中で切れて死んでしまうという困難を極める事故現場、割とショッキングな見た目の救出方法など、映画として見応えがありすぎる。

子どもたちを救うために世界中から集まったダイバーら1万人を超えるボランティア、軍関係者、全ての人々に頭が下がる思い。

 

タイという国やそこに住む人々、この事故に関係したすべての当事者にリスペクトをこめながら、ロン・ハワードらしい熱いドラマに仕立てられている。

最近は「ハン・ソロ」の敗戦処理や「ヒルビリー・エレジー」といったちょっと日本人には難しい映画が続いていたので心配だったが、「バックドラフト」「アポロ13」「ラッシュ/プライドと友情」のロン・ハワードはまだいたんだと、胸が熱くなったものである。

 

厳しい環境下での撮影に耐えた俳優の演技も圧巻。

コリン・ファレルは老けてから味わい深い顔になりすぎなので、マジでそれだけでも確認してほしい。