作品情報
原題:Teenage Mutant Ninja Turtles:Mutant Mayhem
監督:ジェフ・ロウ
出演:シャモン・ブラウン・Jr/ローズ・バーン/ニコラス・カントゥ/ナターシャ・ディミトリウ/アヨ・エデビリ/ブレイディ・ヌーン/マイカ・アビー/セス・ローゲン/ジャッキー・チェン/ジョン・シナ/アイス・キューブ/ジャンカルロ・エスポジート/ポール・ラッド
制作国:アメリカ
上映時間:100分
配給:東和ピクチャーズ
年齢制限:G
あらすじ
ミケランジェロ、ドナテロ、ラファエロ、レオナルドの4人は、不思議な液体に触れたことでミュータントとなったカメたち。「普通の人間のティーンエイジャー」と変わらない生活を夢見ながら、育ての親であるネズミのスプリンターを師匠に武術の腕を磨いている。ある日、街にハエのスーパーフライを筆頭としたミュータント軍団が現れる。同じミュータント仲間の出現を喜ぶタートルズだったが、彼らは人間社会を乗っ取る野望を抱いていた。
売れてないのがもったいないクールでアツい映画
正直タートルズのことはアメリカの国民的作品だとかマイケル・ベイの実写版があったとか、それくらいのことしか僕は知らない。
なのでまあ観れたら観るかくらいに思っていたのだが、これが観て大正解だった。
明らかに「スパイダーバース」の子供たちの一人な作品だがそれもそのはず。
監督は「ミッチェル家とマシンの反乱」の脚本を務めたジェフ・ロウ。
プロデューサーにはカメファンを公言する永遠のティーンエイジャーセス・ローゲンという布陣。
人間のように暮らしたいけどそれができないタートルズ。
人間を忌み嫌いタートルズを守ろうとするネズミのスプリンター。
気の合うミュータント仲間だが人間を滅ぼそうとするスーパーフライ軍団。
そして人類。
種族の違い、生まれや育ちの違い、大小様々な違いを持つキャラクターたちが作用し合うドラマが10代の少年たちのコメディたっぷりに、しっかり骨のある脚本で描かれる。
抜群のセンスで描かれる画風や音楽は超クールなストリートカルチャーを頭から浴びているよう。
「進撃の巨人」が説明不要で出てくる辺り、アメリカのティーン(のオタク)への浸透度が高いようで驚いた。
「ヒロアカ」のデクもチラッと出てたし、何故かネットミームの「公園で一人で飯を食うキアヌ」も見つけた。
そういうところでオタクにも優しい。
そんな引用ネタがささやかなオタク自慢に止まらず、「フェリスはある朝突然に」の引用は非常に切なく見事な演出で使われるし、武術を学ぶ彼らが観ていたジャッキー・チェン映画の引用映像は激アツ。
しょうもない引用で言えば色んなクリス・〇〇俳優大集合のあそこ。
シーンの効果をキチンと引き出す力がある映画なので、小ネタも嫌味なく楽しめる。
そんなにタートルズに詳しいわけではないが、多分これは相当面白い方のタートルズだと思う。
続編も既に決定しているようだが、そちらはもっと早く観に行こうと思う。
「君たちはどう生きるか」のようなちょっと難しいアニメが60億円越えの大ヒットを飛ばすなか、もっとわかりやすく共感も得やすそうな本作は(ミュータント・タートルズだし仕方がないのだが)やはり日本では厳しい。
うむむ...映画を売るって難しいね...と久しぶりにしみじみ感じてしまったのがこの「ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!」だ。
大きな驚きはないが、ストレートに良かったので意外と低い敷居でオススメです。
やけにゴージャスな英語版声優も見どころだぞ!