2023年(1月1日〜12月31日)に観た映画の本数は173本。
ここ数年は300本以上見ていたことを考えると今年はかなり少なくなってしまいました。
多分下半期に仕事で色々あって疲れちゃったことや・・・気分がアニメやゲームに傾いてそちらに捧げた時間が多くなったからだと思う。
2024年が始まってからは結構映画を観れているので、頑張ろうと思います。
年末にかけて上半期ベストの記事がたくさん読まれたログが残っていたので下半期だけのベストや年間ベストも出した方がいいのでは?と思ったのだけれど、観たいのに観れてない映画も多くて・・・
でもそのままにしておくのも忍びないので、年ベストだけ一応考えてみました。
上半期ベストに入ってた作品はコピペで、順位をつけるのもアレなのでいつもの事ながら観た順に記載。
劇場体験に基づいた選抜なので、配信作品は新作でも劇場で観てないものはこの10選からは省いてるよ。
アイカツ! 10th STORY 未来へのSTARWAY
ハイもういきなり出ましたね。
職場のみんなと出し合うと大体「出オチじゃん!」「はいはい乙」という声が上がる。
でも実際良かったから......10年選手のアイカツ民にこの上ない正解の完結編を出してくれたから。
僕がこれを選ばないと、この十選全てが「嘘」になってしまうから。
日本はテレビアニメの劇場版において必ずし劇場クオリティになっているとはいえず、特に音響はTV作品の域を出ない。
正直な話この作品もその例には漏れず、編集して繋げた全3話の話数ごとに音のレベルが微妙に違っていて映写チェックには苦労した。
ただ、しっかり箱に合わせて仕上げた音場で聞くアイカツ楽曲は涙が出るほど素晴らしく、今後どんなにしっかりした環境を整えて観てもこの感動を超える事はないだろうという最高のアイカツ体験を僕は得ることができたと思っている。
フェイブルマンズ
ここ数年、著名な映画監督の半自伝的映画がたくさん公開された。
そんな中でも特に美しくお気に入りの一本になったのがスピルバーグ監督の「フェイブルマンズ」だ。
自身が映画監督を志した経緯とその過程、映画作りの喜びと映画が持つ力、そのいい面と悪い面を描いている。
自らが与えられた才能は人を幸せにすることも不幸にすることも出来るという自覚と、才能を持つものはそれを正しく使わなければいけないという強いメッセージも感じる。
非常に個人的な物語に徹しながら、映画としての面白さがきちんとありクオリティも担保されている。
スピルバーグという人間に興味がない人でもぜひ観てもらいたい映画だ。
ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー
やはり2023年の映画興行を語る上でこれは外せないですね。
世界中で圧倒的な記録を残しまくった魔界帝国ではない方のマリオ映画。
日本でも100億円をとうに超え、後悔から3ヶ月経った今でも常にランキングのTOP10に君臨。
アニメーション映画としてはもちろん、実写映画を含めても遜色ない記録を残している。
イルミネーションスタジオが作るアニメのクオリティの高さはもちろん、マリオブランドの世界的な知名度を認識できるのもなんだか嬉しい。
最近長い映画がとにかく多いが、90分でしっかりカタルシスを得られる作りも評価が高い。
夏休み興行に切り替わっているがまだ上映している映画館は多いと思うので、ファミリーでまだ観てない人には特におすすめしたい。
TAR ター
十選という形で順位はつけない趣向の記事だが、この映画は今年の上位3番以内には絶対食い込むと思うくらい気に入っている。
徹底的にこだわり抜かれた映像。
シンプルで抑制の効いた演出のドラマ映画ながら優れた音響設備の劇場で聴きたい素晴らしい音の効果。
主人公の歩む人生とその行き着いた結末。
全てが僕の好みにハマっていた。
2時間半の尺は長いと感じるかもしれないが、ケイト・ブランシェットのキャリア最高レベルの仕事を見られる時間としては一瞬では?
超おすすめです。
スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース
そのあまりのクオリティに開始15分のオープニングシークエンスだけでもう映画一本分の満足とカタルシスを得てしまった衝撃のアニメ。
CGアニメーションというジャンルに新たな概念を生み出し多くのフォロワーを産んだ前作だったが、本家を超えるのは本家しかいないと言わんばかりに伝説を自ら更新した奇跡の続編。
世界では大記録を打ち立てたものの、やはり日本の興行は伸びないままほとんどの映画館で上映が終了。
作品の出来に見合わない結果になってしまったが、それでも僕は今年のトップ級だと推していきたい。
2部作後編となる次回作もこの数字の後では...と全く期待できないが、それでも...それでもいい映画なんや......
観る人が観たら人生が変わるくらいには凄いんや......
アニメでもこのクオリティでの劇場公開なら実写ハリウッドと遜色がないという基準にしていい作品です。(ゴールデングローブ賞まさかの無冠!!!)
バービー
グレタ・ガーウィグのポップなセンスが炸裂し、2023年の世界興収ナンバーワンを獲得した映画が実写版「バービー」だ。
歌あり踊りありのピンクでカラフルな世界からは想像もできないようなゴリゴリのフェミニズムネタとポリコレネタ、あとなんか生々しい下ネタが次々飛び出した。
これを許したマテルは偉い。
フェミニズムとアンチフェミニズムを両立させながら物語の軸は普遍的な人生を生きることへの問いかけというのも見事。
フェミニズムやそれに付随するジョークを娯楽とする文化が醸成されていない日本では10億円の興収すら届かず終わってしまったのがなんとも悲しい。
映画のクオリティは高く、うちの劇場にもピンクに染まった外国人がたくさん観に来ていた様子が印象深かった。
ゴールデングローブ賞は興収賞と歌曲賞だけだったのもなんとも。
まあそんな気もしていたけどマーゴット・ロビーは何かしら取るかと思ってた。
エマ・ストーンが強すぎたか。(バービーに競り勝ち作品賞と主演女優賞に輝いた「哀れなるものたち」は1月26日から!)
シアターキャンプ
低予算っぽい雰囲気からは想像もつかない味わいのあるドキュメンタリー風映像と優れたミュージカルシーンと素晴らしい物語で圧倒的クオリティを見せた今年のダークホース枠。
宣伝もなくほとんどの映画ファンに上映していることも認知されぬまま終わってしまう哀しい運命を辿った。
華やかな表舞台から裏方までアメリカのショービジネスの様々な側面をコメディとドラマたっぷりに見せる。
日本では有名ではないが余りにも豪華すぎるキャスト陣による圧巻のミュージカル、これに尽きる。
ちょっとコアな雰囲気でとっつきにくいかもしれないが、ものは素晴らしいので是非ご覧あれ。
サーチライトピクチャーズ作品なのでディズニープラスで配信中。
ディズニーはもっとサーチライト作品に優しくして。
ザ・キラー
ハリウッドが持て余した才能デヴィッド・フィンチャー先生の新作。
それを拾ったのがNetflixだったばっかりに新作が劇場でかからなくなるのではと危ぶんだが、「Mank」といいこれといい限定とは言え劇場で観られたので助かる。
鉄仮面のようなファスベンダー演じる暗殺者が己の美学をモノローグで語りながら平然とミスってピンチになるオープニングから最高。
シリアスなトーンで平然とボケをかますとぼけた映画で、殺し屋の日常系というジャンルがあるならそれ。
やはりクオリティの高い映画は映画館で観たい。
今後も配信サービスの映画は逃さず観に行くようにしたい。
キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン
今年アカデミー賞を取るならこの映画にしてほしいオブザイヤー。
オープニングから映画に引き摺り込む圧倒的な演出。
この映画でゴールデングローブ賞に輝いたリリー・グラッドストーンをはじめとした豪華俳優陣のアンサンブル。
3時間半は確かに長いが、その世界に浸る極上の映画体験を劇場に下ろしてくれたApple+には感謝しかない。(「ナポレオン」もありがとう)
まあそんなに入らないし売り上げも微妙なんだろうけど、でもこれが映画館で観られなかったらなんのために映画館があるのか。
何とかならんか、世の中ってやつは。
枯れ葉
引退宣言を撤回したアキ・カウリスマキの新作。
都内4館しか上映していないのでどこも盛況に見えるが、興収は多分まだ5000万円ほどか。
だが、平日昼間の高齢者を中心に堅実な数字を作るので、こういう映画の存在はありがたい。
抑制の効いた演出と不意に見せるお遊びの絶妙な緩急で描く男女のドラマをサクッと81分で楽しめる素晴らしい映画。
カウリスマキ映画を、フィンランド映画をほとんど観たことない初心者にもオススメできる仕上がりなので、劇場で観られるうちに観に行ってほしい。
あの満たされた優しい雰囲気に包まれ、映画館を好きになること請け合いだ。
ちなみに下半期だけのマイベスト10選は
「バービー」
「映画プリキュアオールスターズF」
「ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!」
「シアターキャンプ」
「イコライザー3」
「ザ・クリエイター」
「ザ・キラー」
「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
「ファースト・カウ」
「枯れ葉」
です。